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ぼくとも。 |

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Posted by 春乃 綺 on  | 

君の全てに心臓が跳ねる(光ミミ)

光ミミ。

”他愛もない日常に愛を感じたい”の続き。


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後ろからミミさんの寝息が聞こえ始めてから、僕は必死にパソコンに向けていた意識を開放することが出来た。
回転椅子を後ろへキイッと引いて、やっとのことで後ろを振り向く。
僕の後ろ、ベッドの上には規則正しい寝息を立てているミミさんが横向きで眠っていた。

静かな寝息と一緒に上下する彼女の肢体。
彼女のスカートから覗く細い足。
抱きしめたら折れてしまいそうな華奢な肩。

………………せめて布団に潜ってから寝てほしいものだ。誰のせいで僕がパソコンとお見合い状態でいなくてはいけなかったのか、この人は全くというほど分かっていないよなぁ…。

途方にくれたような顔で天を仰ぐ。それは出来るだけ彼女が目に入らないようにと意識しての行動。
我ながら馬鹿みたいだと自分に自分で呆れてしまう。
"彼女が関わるとたちまち僕は沈着冷静な泉光子郎ではなくなってしまう"。
そう言ったのは、一つ上の活発な先輩。ちなみにその人はその後、僕の目の前で散々爆笑した。
なんて失礼な人なんだと思いつつも言い返せないのが悲しいところ。

「…だから恋なんて嫌いなんです」
予想を超えることばかりで僕はいつも後手に回ってばかりだから。
しかも相手の女性はそういうのが得意な方だから尚更そう思えてならないのだ。
ふて腐れた後、ふと当の相手が気になって愚かにもベッドの上に再び目を向ける。
すると、うぅん、と寝言と一緒に彼女が浮かべた破壊的な笑みに僕の心臓は跳ね上がる。
何で笑顔程度で挙動不審に陥らなくてはならないんだ。そうは思うものの、僕の我が儘な体は心の言うことを聞いてはくれない。
これだから恋なんて――――――。

「光子郎くん」
とその時、彼女の鈴を転がすような声が僕を呼んだ。
起きたのかな、と彼女のいるベッドを見る。しかしそこにいるのは未だそこに横たわって規則正しい寝息を立てる彼女で。
なんだ寝言か、と視線を外した時、不覚にも僕の心臓はまた跳ね上がることになる。

「大好き…」

甘い綿菓子のようなその言葉。破壊的な笑顔も一緒に添えて出されたソレに僕は思わず手で口許を押さえた。

顔が、熱い。

キイッと椅子を鳴らして僕はなんとか平静を取り戻そうとするが、成功するはずもなく。
やはり貴女は恐ろしい人ですね。
半ば混乱した思考回路で行き着いた考えに赤らめた顔を少し苦笑に変えた。
でも僕はそんな貴女が。

「…好きですよ」

そう言ったのは僕だけが知っていればいいと思った。

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Category : ss
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