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ぼくとも。 |

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Posted by 春乃 綺 on  | 

エンドレスマインドゲーム(光ミミ)


「こーしろー君ってアクシュミよね」
「……なんです、また藪から棒に…」

ほんのつい先ほどまで、此処で二人でデートをしていて、それなりに楽しくお茶と談笑などをしていた。
そこへ、また彼女の口から突拍子もない言葉が飛び出した。それが上記の『僕が悪趣味だ』という言葉。
ミミさんは「だって考えてもみてよっ!」と興奮した口調で、僕が悪趣味たる所以(ゆえん)を甲高い声で語る。

「だって目玉焼きにポン酢よ、ポン酢!それは鍋とかに使うものよぉ!」

ミミさんは「信じらんなぁいっ」とそう言って、自身の腕を上下に摩った。よくみるとその腕にはボツボツと鳥肌が立っていて。
……鳥肌が立つほど信じられない味覚だとでも言いたいのだろうか。全く失礼な。
途端、僕の機嫌は急下降した。いい加減、その話題に嫌気がさして、「余計なお世話です」と彼女に一言しその話題を終わらせようとした。が、そこで不意にあることを思い出した僕はその言葉を言わず、代わりに眉頭をギュッと寄せたのだった。
僕を悪趣味だとのたまっている彼女こそ目玉焼きに納豆と砂糖をかけて美味だと言う最大の問題児(味覚が壊れているという意味で)だったような気がするのだが、それは僕の思い過ごしか。――――いや、絶対に違うだろう。あの時の衝撃はそう簡単に忘れない。
彼女はまだひっきりなしに『僕が悪趣味だ』と繰り返していた。そんな彼女に、僕が苦い顔で告げたことは。

「ミミさんにだけは言われたくありません。あなたも十分悪趣味の部類に入りますから」

と、そんな言葉だった。
寧ろ僕より上なんじゃないかなという考えは勿論口には出さない。言った直後、彼女得意の叫喚攻撃を受けるのは必至だからだ。事前の経験からそれを既に悟っていた僕が、むざむざ自分で墓穴を掘りに行くようなことをするはずもなかった。
達観した僕の考えを余所に、彼女は頬を膨らませ、「目玉焼きに納豆と砂糖、オイシイのよ?」と不満を漏らしている。…それ、"ミミさんにとっては"っていう条件がつきますけどね、絶対。大体それを言うなら。

「目玉焼きにポン酢だって美味しいですよ」
「えー、絶対変っ!」

口を尖らせて、文句を言う彼女に、別にいいじゃないですかと思った。
味覚の好き嫌いなんてもの個人の自由であるはずだ。
だから僕も彼女の味覚の不可思議さには付いていけなくとも、非難したことはない、、はずだ、多分。
彼女はまだ納得いかないのか、机に身を乗り出しながら、だって、とか、困るじゃない、とか、そんな言葉を頻りに口にしている。
―――って。

「困る?―――何が困るんですか?」

僕の味覚に関して、彼女が困ることがあるのだろうか。
そう訊くと、それまで引っ切り無しに動いていた彼女の口がぴたりと止まった。
そして、「あー」だの「うー」だの唸り声を上げながら、彼女はもごもごと言いあぐねる。その顔は珍しく真っ赤に染まっていた。

「ぅー…だって…困るじゃない…? 近い将来、その、、一緒に居る…かも、しれないんだから…」

彼女の途切れ途切れのその言葉に、僕は思わず目を見開いた。
近い将来、一緒にいるかもしれない、とはつまりそういうこととして受け取っていいんだろうか?
知らず知らずのうちに口元が緩んだ。
――こういう瞬間に僕は彼女を愛しく思うのだ。
無理難題を突き付けられて苛立つこともあるけれど、それでも付き合っていられるのはこういうミミさんを知っていて、尚且つそんな彼女を愛おしいと思うからだ。
「大丈夫ですよ」と僕は穏やかに笑って告げた。

「お互い少しずつ慣れていけばいいんですから」
「……うん」
「――僕もそのために努力します」

そう伝えると彼女はすごく晴れやかな笑みを見せた。
先程までと一転、俄然やる気が出てきたようで、「よーし!」との掛け声と共に握った拳を僕の方に突き出してみせる。

「私、今より一生懸命料理の勉強するわねっ! それで悪趣味な光子郎君でもぎゃふんと言わせるもの作っちゃうんだから!」

見てなさいよと彼女は愉しげに笑った。それに僕が可笑しくなって笑うと、彼女は「あーっ!私のせっかくの決心を笑ったわねぇ!」と声を荒げるから。
「違いますよ」と苦笑交じりにその理由(わけ)を告げるのだった。

「ミミさん。先ほどから僕のことを悪趣味悪趣味言いますけど。それからいくと、その悪趣味な僕がこよなく愛するあなたは相当なゲテモノということで宜しいので?」

「ゲッ…て、ひっどーい、こーしろー君の馬鹿!」


僕の前で頬を膨ませて拗ねてみせる"ゲテモノな"彼女は大変可愛らしかった。

(……まぁ、本人には言ってあげませんけど)















ゲテモノカップル、光ミミ。
このカプは、砂吐くくらい甘いっすね、相変わらず。
皆様、コーヒーなど苦いもので口直ししてくださいね(辛い物でもいいけど)。秋月も書き終わってから珈琲飲みました(笑)。
そういえば、目玉焼きにポン酢って意外と美味しいですよね。流石に砂糖と納豆は試してませんが、美味しいのかな。
試したって方がいらっしゃれば、ぜひとも感想のほどを教えてくださいっ!



(提供:リライト)







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Category : ss
Posted by 春乃 綺 on  | 2 comments  0 trackback

-2 Comments

テイルモン says...""
小説読ませていただきました!
光ミミが大好きなので小説を探していたんですが、
この小説めちゃくちゃ可愛くてきゅんきゅんでした(^ ^)!!
ブクマ余裕です!

他の小説も読ませていただきますね!

素敵なお話ありがとうございました!

2012.04.13 18:53 | URL | #- [edit]
燈月 says..."Re:"
>テイルモン様
お返事が遅れて、大変申し訳ございません…!
パソが壊れてパスわかんなくなって、ずっとログイン出来ずにいたもので((((;゚Д゚)))))))
おおお光ミミ好き様、ナカーマ!(=´∀`)人(´∀`=)ですね~。
私もデジで色んなCP扱ってますが、実はデジ最愛CPは光ミミだったりします^^

更新速度が亀より遅い拙宅ですが、今後ともひっそりと細細と続けていくつもりですので、気が向いたときにまたどうぞ(o^^o)
それではメッセありがとうございました。

2012.08.04 00:20 | URL | #- [edit]

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