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Posted by 春乃 綺 on  | 

遅咲きの狂い桜 (太空)

デジ無印より太空。
前サイトの一周年記念フリリクの際に、みんさんからリクエストされたものです。

みんさん、遅くなってしまい、本当に済みませんでした。
……………しかしまだ終わってないというね(←)

すみません。あと何話か続きます。これだけじゃ展開を収めきれなかったの。
力不足をひしひしと感じますorz










へのを認めた時には


――――――全てはもう遅かった













咲きの狂い

















サッカークラブからの帰り道。
マンションのすぐ近くの公園からパコン…パコン…、という物音がして、太一はその場で足を止めた。
その公園は昼間小さい子が遊ぶくらいでこの時間帯になると誰もいないことが多かった。そのため、今聞こえているこの音がなんだか不気味なものに聞こえてならなかったのだ。

「……なんだ?」
怖いものみたさによる少しの好奇心から太一は恐る恐るその公園の中に入っていく。
出来るだけ足音を立てないようにそろそろと物音のする方へと近付いていくと、そこには一つの人影があった。
夕焼けに照らされて、その人影の輪郭はぼんやりと霞んでいて。
太一はそのまばゆさに目が眩み、片手を目の前に翳した。
やがて徐々に輪郭がはっきりとしていき、その人影は自身がよく知る少女であったことに気がつく。
短パンに、上には半袖のポロシャツを来て、ラケットを右手に構え、真っ直ぐ前を見据えている。
その立ち姿からは、サッカー時のいつもの頼もしさなど微塵を感じない。

太陽の下での弾ける笑顔を見慣れているせいか、太一は彼女(そら)の夕日に照らされた横顔にぞくりとした何か、を覚えた。


と、それまでボールを握りしめて前を見据えていた空が動いた。
すぅっと息を吹い、ボールを宙へと放つ。そしてラケットをそのボールに当てた。
ボールは真っ直ぐに飛んでいき、少し離れた壁に当たって、また彼女の下へと返っていく。
何回かそれを続けるが、一回一回が危なっかしい様子で、内心ハラハラしながら太一はそれを見守った。
「…あっ」
それまでなんとか続いていたが、十回目で跳ね返ったボールが思わぬ所へ行ってしまい、空が慌ててボールの後を追う。
数メートル行ったところでそれを捕まえ、空は安堵の息を吐いた。
ボールを拾うために屈めた腰を起こし、そして空はぼんやりと公園の裏口を見つめる。
すっと姿勢よく、顔だけをそちらに向けて、空は目を細めた。

太一は空のその表情に、再びぞくり、とした何かを覚える。


―――――――すごく儚い表情に見えたのだ。

そのまま空が消え去ってしまいそうな、そんな雰囲気さえ孕んでいて。
太一は堪らなくなり、息を吸って、彼女を呼ぼうとした、

「あら、太一くん?」

しかしそれは後ろから声を掛けられたことで、喉から出ることはなかった。
ヒクリと自身の肩が震えたが、それをとりあえず無視して、太一は振り返る。

「………おばさん」
「どうしたの?こんなところで。空になにか?」

居たのは案の定というか空の母の淑子で。淑子は小首を傾げながら不思議そうな顔で太一を見遣っていた。
太一は、あ、いえ、と言葉を濁し、気まずげに目を落す。
別に用事などないのだから、なんと言えばいいのか解らなかった。
視線をさ迷わせた後、このまま帰る旨を伝えようと考えたところで。

「お母さん?―――…ぇ…たい、ち?」
先程の淑子の声を聞き付けて、空がひょっこりと顔を出した。
そして太一を見た途端、気まずげに顔を歪める。
すると空は慌てた様子でサッとボールとラケットを自身の背後に隠し、下手な作り笑いを浮かべたのだった。
「太一、何か用?」
「あ、いや…、たまたま空が見えたから寄っただけ。じゃあ、俺帰るわ」
早口でそう言い残し、太一は公園を足早に去った。

―――――それに対して、空は何も言わなかった。










家にたどり着き、母が何か話し掛けて来たが、太一のただならぬ雰囲気を察したのか、それ以上の言葉はかけてこなかった。
太一は滑り込む様に自室に入ると、そのままベッドに倒れ込む。そしてふて寝しようと瞼を落とすが、その時にあの時の空の表情がちらついた。
「あぁ、もう…っ!」

忘れられない。

あの時の空の儚げな表情がどうしても頭から消えてくれない。


それが意味するのは何か、なんて気付きたくもなかった。
だって、ただの幼馴染みほど気楽な存在(もの)はないだろう?


それが"それ"に変わるなんて、冗談ではなかったんだ。




「消えろ、消えろ、消えろ…っ」

だから何度も呪文のようにそう唱えて、けれど"それ"は太一の心から消えてはくれなかったのだ。





















恋心、自覚の日。でも認めたくない太一。
幼馴染みと恋仲になるって結構弊害多いと思うのだけど、どうなのかしら?
あ、ちなみに小学六年の夏の終わりころです。
この話はあと数話続く予定。




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Category : ss
Posted by 春乃 綺 on  | 2 comments  0 trackback

-2 Comments

[i:63734] says...""
太空きたー
私個人的に太空大好きなんで、こんな小説がとっても好きです

主さんの小説を読む楽しみがまた増えました
次も楽しみにしています
2010.02.02 23:18 | URL | #- [edit]
秋月 says..."Re:"
わほーいっ!\(^o^)/
そんなこと言っていただけて、光栄ですっ。
本当にいつもいつも感想ありがとうございます(´;ω;`)ウッ
あなた様のお陰で更新意欲が湧くと言っても過言ではありませんですっヾ(*´∪`*)

これからも頑張ります♪
2010.02.05 22:00 | URL | #- [edit]

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