FC2ブログ

ぼくとも。 |

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted by 春乃 綺 on  | 

悶え過ぎると禿げるってのは本当らしい(君に届け)

今日、君に届けの11巻を読んだ。
……分かってる、一ヶ月ほど遅いのは分かってるから、ツッコまないでくれ。

んで、内容なんですが、まず、
ピン矢野に悶えて死ぬかと思った。


いや、風爽も悶えたし、龍ちづもイイ感じだったよ?
でもピン矢野に全部持ってかれた感が……。
ピンが格好良すぎてどうしようかと思った。
なんであの人はピンポイントで格好良くなるの。いつもは駄目教師のくせにっ!(←)
これが世に言うギャップ萌えって奴なのか…?そうなのか…?
ギャップ萌え乙すぎるだろっ(-言-)

んでもって矢野ちんが男前すぎるよ。あの包容力はなにごと?高校生女子が培えるレベルじゃないよ。
まじ抱いてくれ…!(←)私、矢野ちんになら抱かれてもいい(←ぉま)。
つーかさ、矢野ちんが男の子だったら、くるみとのカップリングもありだったなぁと思う。
矢野ちんは包容力あるので、くるみの汚い部分とかも全部受け止めて昇華してくれると思うのですよ。風早は憧れから恋愛に入る奴だから、くるみの汚い部分とか見えたら、好きにならないんだよな。むしろ嫌う性質だ。
そういう観点からいくと風早と爽子はベストカップルなんでしょう。爽子はどこまでも清らかでどこまでも強い人だから。あの漫画は女の子がどこまでも強い。爽子にしても、矢野ちんにしても、くるみにしても、ちづにしても。
あっ千鶴はもう6巻でいろいろ乗り越えてるから。あとは龍がどうやって攻めてくかだな。
龍ちづはいつ頃くっつくのでしょうか?4巻あたりから微妙にびみょーっに進んで行ってるけど、果たして……。

ってゆーか、椎名先生はホントに恋愛場面書くの上手いよなぁ。あの独特の雰囲気というかコマ回し(?)は、あの先生しか出来ない気がする。

12巻はいつ頃出るのかな。10月か11月ぐらい?
早く続き読みてぇなぁ……。



スポンサーサイト
Posted by 春乃 綺 on  | 0 comments  0 trackback

Adolescence 1-Un- (レンリン)

ずっと二人だけの世界で生きていけたらよかった。

でも"俺ら"は姉弟で、さらに他人で、歳を重ねるごとに互いの心さえ違(たが)えていくのだ。







Adolescence 1-Un-








 幼い頃から俺とリンは隣同士に立って、同じように育ち、同じように物事をとらえ感じてきた。
 ――――だって俺らは姉弟。そこに男女の隔たりなど関係ない。そう、関係ないはずだった。だが、そんな楽しく開けっ広げな関係が音を立てて崩れたのは、俺とリンが14のときだった。

「………お前たちは義姉弟なんだよ」

 父さんの部屋に二人で呼び出されて告げられた真実。"俺とリンに血の繋がりはない"。さらに俺は父さんや母さんとも血が繋がっていなかったのだ。
 何言ってんの父さん、その冗談全然笑えなんだけど、と笑い飛ばせたならば良かった。だけど俺たちにその事実を伝えたときの父さんの顔があまりにも真剣だったから。俺はその事実をそのまま受け入れるしかなかったのだ。
 でも、それじゃあさ、血の繋がりのない俺の、この家での立場はどうなるの。父さんが他人で、母さんも他人で、リンも……。
 目の前が真っ暗になるということを初めて体験した瞬間だった。俺は顔を真っ青にして茫然自失に陥った。ふらふらと足元が覚束なくなり、自分が今どういう状態でいるのかさえ分からなくなった。その時、服の裾を引っ張られ、意識をこちらに戻される。
「レン……」
 俺の意識を戻したのは、それまで自分にとって姉という位置付けにいた少女だった。彼女は俺を不安げに見つめ、「大丈夫か」と尋ねる。…大丈夫なんかじゃないと思った。当然だろう。しかしそのことを元姉であり今他人であるリンに言えるわけもなかった。急にリンが見知らぬ女にしか見えなくなる。そこでリンの弟としての"俺"は終わりを迎えたのだ。


 それからだった。
 俺は父さん・母さんを名前呼びするようになった。そうして距離を置き、その家に存在する"家族"という空間から自分を守った。"リンの"両親はそんな俺に何も言わなかった。ただリン一人が自身らから離れていく俺をあの手この手で引き留めようとした。
 それまでリンと同室だった俺が部屋を分けてくれとリンの父親に進言したときも、リンは「嫌だ嫌だ」と泣いて喚いた。

「レンはリンの双子の弟だもんっ!ずっとずっと一緒に寝るんだから!」

 リンは自身の父の前で散々ごねて、終いには俺のベッドの上でふて寝を決め込み、そこから一歩も動こうとしなくなった。そんなリンに、すっかり困ったリンの父親から「なんとか説得してくれないか」と頼まれたのは他ならぬ俺で。俺は迷わず頷き、その頼みを承諾した。この家に置いてもらっているからには家主の命に従う義務があると俺は勝手に思っていたのだ。
 リンの部屋に俺が一人で入っていくと、彼女は泣いてべそべそにした顔をぱっと輝かせた。あまりにも現金な彼女の様子に、俺は苦笑を禁じ得なかった。隣同士に二つ並べられたリンと俺のベッド。俺はリンのベッドの方に腰掛け、彼女の名前を呼んだ。

「リン」
「なぁに? レン」
「部屋分け、しよう」

 俺がそう言った途端、リンはガバリと布団を跳ね退け起き上がった。そして自身のベッドに座っていた俺に詰め寄り、悲痛な声で叫ぶ。

「イヤァアっ! なんでっ!? なんでレンまでそんなこと言うのぉっ!?」

 リンの大きな瞳からはボロボロと涙が零れ落ちていた。今までの俺だったなら、その涙を拭ってやり、その悲しみを取り去ってやるくらいのことはしていた。それが俺の役目だったから。だけど、その涙を拭うのはもう俺ではいけないのだ。詰め寄ってきたリンを無感情な瞳で見つめる。そして俺が無情にも口にしたのは、

「だって俺はもうリンの弟じゃない。他人同士が一緒に寝るのはおかしいだろ?」

 という彼女を奈落の底へと突き落とす言葉だった。リンは目をいっぱいまで見開き、愕然とした様子で「……なんで?」と呟く。リンのアクアマリンの瞳からは涙と一緒に光が流れ出していき。みるみるうちに光を失っていく彼女の瞳を見て取って、それでも俺の心には何も響いてこなかった。


「部屋分け、するね?」

 再度念押しするようにそう告げた俺からリンは目を逸らした。黙りこくって掛け布団をぎゅっと握りしめる彼女の拳はカタカタと小刻みに震えていた。

「リン」彼女の名前を硬い声音で紡ぐ。それはどこか脅迫と似ていた。
「…」リンは視線を下げたまま、何も言わなかった。やがて俺は溜息をついて、「……そう」と低い声を吐き出す。

「じゃあ俺は最悪、この家を出ていくことになるのかな」

 俺のその言葉にリンは顔をくしゃくしゃに歪めた。そして彼女は何度も何度も首を横に振っては、俺の胸元に縋り付く。
 だけど、リンが部屋分けを拒むならば、最悪行き着く末路はそこだ。リンの両親達が俺達の同室を善く思っていないのは、薄々感じ取っていた。大事な一人娘が、元弟とはいえ思春期に至った男の横で寝ることを、善しとする親など何処の世界に居ようか。そしてそれはリンに説明するまでもなく、彼女自身も分かっていることだろう。
 やがて散々泣いたリンはぐちゃぐちゃになった顔で俺を見上げ「…分かった」と小さく頷いた。

「でも一つだけお願いがある」
「…? 何?」
「寝るまではリンと一緒にいて」

 それは果たしてどうなんだろうかと思った。そもそも俺とリンが寝る前に一緒の時間を過ごすこと自体に問題があるような気がするのだ。それは"そういう"行為に結び付きやすい。だが、リンが妥協したのに、自分だけ我を通すわけにもいかない。それゆえに仕方なく俺もリンの要求をのんだ。

「…でもリンの部屋には入らないからね」
「それでもいい」

 間髪入れず俺の言葉に返事を寄越して、リンはズズッと鼻を啜った。その様子が酷く幼く見えて、俺の脳内にはかつてのリンと俺の姿が浮かぶ。リンが暗闇が怖いと泣いたら、電気を点けたまま一緒のベッドで眠った。それは在りし日の姉弟としての俺とリンの姿で、今の俺らには有り得ない姿だった。―――そう、有り得ない姿なのだ。だからこそ。


「レン、大好きだよ」


 在りし日と同じように紡がれたリンの言に、返す言葉は見つからなかった。













シグナルPの楽曲「アドレサンス」から。
実は数カ月も前から温めてきたネタでした。アドレサンス好きです。
それからリンレン書きやすくて吃驚した。




Category : ss
Posted by 春乃 綺 on  | 0 comments  0 trackback

馬鹿と天才はなんとやら(ギャグ)

※一部、BL・NL表現含みます。




天才には奇人・変人が多いとはよく言ったものだと常々思う。

発明王と名高いエジソンは小学校のとき教師から問題児の烙印を押され学校を中退した。だが、母に学問や研究などの教えを請い、今の地位まで上りつめたのだ。
また幕末の偉人、坂本龍馬も様々な要因で塾でいじめに合い、抜刀騒ぎを起こして塾を中退、その後姉である乙女に武術などを習っている。
つまり何が言いたいかというと、他人と違う才を持つ者は、他人と一風違った感性・考えを持ち、時に相容れないこともあるということだ。

そして自身が一般人だと自負している鏡音レンは、今まさに他人と一風違った感性を持つ人間達のやりとりを前に、立ち往生しているのである。


「あぁ!ミクジマさん、どうして…っ!」
「落ち着いて、カイコさん…っ」
「落ち着いてなんて…どうしてミクジマさんが…っ!」
「落ち着いてください、始音さん。今、捜査中ですので」
「…刑事さん」
「下がってましょう、カイコさん…」
「えぇ…」
「それで、カイトウ警部。例のものですが…」
「ん、了解。それは鑑識にまわしておけ、ハツネ刑事」
「はい」

そう、ちょうどこんな小芝居を前に。



「……………なにやってんの」


レンは脱力して部室内(ちなみに彼らは全員声楽部である)で忙しく動いていた二人に尋ねた。
すると、部屋の真ん中で「ミクジマさん」と呼ばれる人形を囲み、高低音の声色を自在に使い分けていた初音ミクとKAITOは戸口で突っ立っていたレンを振り返り、


「「殺人事件簿ごっこ」」


と声を揃えて言う。
そうじゃなくてな、とレンは頭を抱えた。
レンが言いたいのは、そもそもなんで殺人事件の現場なんかを再現しているかってことであり。
というか、二人で何人もの人間を演(や)るな。
違和感なさすぎて逆に怖いから。
そう考えるも、レンは首を振って溜息をつくだけに留めた。
言ってもこの二人には伝わらない。感覚の違いという奴である。

でも、とりあえずこれだけは、とレンが口にしたのは。


「演るなら、一人一役にしろ。分かりにくいから」


あと不気味だから、とは心で付け足した。
レンのその言葉に、ミクは口を尖らせて不満を述べた。


「えー、だったら"カイコさん"と"ミクヤナギさん(カイコを宥めてた人)"しかできないじゃんー。カイトウ警部とハツネ刑事は誰がやるのー?」
「むしろ、やらないっていう選択肢はないのか」
「あ、もしかしてレンもやりたかったとか?」
「人の話を聞け、バカイト」

首を傾げながらトンチンカンなことを言うKAITOを鋭く睨むことで黙らせ、レンは再度溜息をついた。
この二人をまともに一人で相手にしたら、それだけで体力の殆どを根こそぎ持っていかれる。
長い付き合いでそれを重々承知していたレンのスルースキルは、もはや達人並であった。


「…で、メイコさんは?」
「ちょっと遅れてくるから、先に部活始めてろだってさ」
「…………始めてねぇじゃねぇか」
「レン君たちを待ってたんだよー」


ほけほけと笑い合うミクとKAITOにレンの頭は更に痛くなった。
この二人が歌唱界の超新星だなんて、世も末だ。特に初音ミクの方は百年に一人の逸材だと近年持て囃されているのだが……………実物はコレである。
全く、エジソンや坂本龍馬もビックリだ。
レンが遠い目でそんな現実逃避をしだした時、ミクジマさんを抱き起こした(絶対片付けるためではない)ミクはキョトキョトと周囲を見回してから、レンを見やった。


「リンちゃんは?一緒じゃないの?」


ミクにそう問われ、レンは先程まで一緒だった片割れの顔を思い浮かべる。
そして、あいつは多分今泣きべそかいてんだろうなぁ、と苦笑した。
ここに来る数分前、担任に引きずられる形で生徒指導室に連行されたリン。
恐らく一昨日あったテストの結果について、泣き付かれているのだろう。リン、赤点だったし。
レン自身もさほど良い点数だったとは言えなかったが、赤点は免れたから、まぁ善しとすることにした。

数学が苦手なリンは毎回テストの後で担任と

「どうしてお前は数学が、むしろ数学だけ出来ない!?」
「人には向き不向きがあるんですぅ!」

などと埒のあかない言い合いを飽きずにしている。
―――だがなぁ、それにしたって、あの点数はないよなぁ、とレンは苦い顔で笑った。
あれは出来る出来ないの範疇をぴょーんと軽く超越しているのだ。
人には向き不向きがあるというリンの言葉は、まさにあの現象によく当て嵌まっている。
リンに数学は向かない。むしろ鬼門なのだ。
しかし担任はそんなことも言っていられないのだろう。何せ、教えることを職にしているのだ。
雀の涙ほどの点数しかとれない生徒を教え点数を引き延ばすのもまた、彼らの仕事なのだ。
だから、担任は何度もマンツーマンでリンの頭に数学の公式を叩き込んでいる。
今日もそうだろうから、きっと下校時刻まで解放してもらえないだろう。


「あー…リンは」

今日の部活は多分休む、と言いかけたところで部室のドアが勢いよく開かれた。
そこにいたのはちょうど話題にのぼっていたリンで。
滑り込むように部室に入り、ドアをすばやく閉めたリンは、そのままドアに張り付き、廊下の様子を伺っている。
その様子からレンはリンのしでかしている(現在進行系)ことを悟った。


「お前、さては逃げ出してきたな…」

呆れを含んだ声でレンがきくと、リンは「てへ☆」と舌を出して笑った。図星らしい。


「ごまかすな」
「もー、レンは相変わらずうっさいなあ」
「お前がいい加減だからだろ」
「人間、リンキオーヘンが大切なんだよ?」
「お前のそれは臨機応変とちがう。ただ、いい加減なだけだ」


はぁと溜息を漏らしたレンを、リンは暫くぶすくれた顔で睨んでいたが、気が済んだのか、「今まで何してたの?」とミクに尋ねる。言うまでもなく、戻る気は更々ないらしい。
レンとリンの動向を黙って見ていたミクは、急に水を向けられて、一瞬ピクンと肩を跳ねさせた。が、そこは部内で1番上手い立ち回りを誇るミクである。待ってましたとばかりにミクジマさんをリンの鼻先まで持ってきて、どこぞの教祖様よろしく「やぁ」のポーズをとらせた。


「殺人事件簿ごっこやってたの!私はハツネ刑事とミクヤナギさん役なんだ」
「ちなみに俺はカイトウ警部と始音カイコさん役だよー」


それまで椅子に腰掛け、一人無心にアイスを頬張っていたKAITOが久方ぶりに会話に加わる。KAITOの着いている机の上には既に空のアイスのカップが二・三個重ねて置いてあった。
会話に加わらなくなって数分しか経っていないのに、その間に平らげられていたアイスの量にレンは呆れた。


「ペース早…。どんだけアイス好きなの、カイトさん」
「もう無限大かつ無償の愛を捧げられるレベルに達してるね」
「どうせなら人に捧げろよ……」


メイコさんとかさ、とは言わなかった。
突き返されるのがオチだからだ。さすがに自ら傷付きに行けと言える程、レンは無情ではなかった。
だが、KAITOは「あー…」と上を見上げながら、目をしかめる。


「もう突き返されてるからなぁ…」

………既に捧げた後だったらしい。
レンは目に見えて落ち込んだKAITOの肩を軽く叩き、励ましてやった。
確実に砕けるのが分かっているのに、わざわざ砕けに行くその心意気だけは立派だ。自分にはとても出来ない。


「俺、たまにカイトさん尊敬するよ」
「レン………それ、俺は喜んでいいの?」


複雑そうに眉を下げてそう訊いてきたKAITOに返す言葉は見つからなかった。






- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -







「リンも殺人事件簿ごっこやる!」


小芝居の詳細をミクから聞いた後のリンの言葉である。
予想通りのリンの反応にレンは「ハハハ」と渇いた笑みを漏らした。

やっぱりか、こんちくしょうめ。

レンは心でそう愚痴る。
ミクとリンは既にミクジマさんを横たえ、準備に取り掛かっている。
KAITOはそれを静観しているが、止めるつもりはないらしい。

というかだね、キミタチ、


「部活始めてろってメイコさんに言われたんじゃねぇのか…」


もはや忘れ去られているだろう事柄をボソリと呟いた。
するとミクが得意顔で「だいじょーぶだいじょーぶ」とレンにグーサインを向ける。


「カイトさんがメイコさんを宥めてくれるから」


…それは無謀な作戦なんじゃないかなぁと、レンがぼやいた。
案の定、KAITOは「………ええええええ」と仰天したような声を上げ、首を高速で横に振っている。
まるで首振り人形のようだ。
KAITOのその様を見る限り、宥められる可能性はゼロに等しそうだとレンも思った、が。
かと言って、暴走し始めたミクとリンをレンとKAITOで止められるわけもなく。
大体、それは通常MEIKOの仕事だ。
鶴の一声ならぬMEIKOの一声でミクとリンはピタリと言うことを聞くようになる。

――決して雷様を降臨させてはならない。
それは部員内の秘密の規約なのだ(但し、MEIKO除く)。


「もうさぁ、大人しく練習始めようぜ…」
「えー!?リンも事件簿ごっこやりたいよぉ!」
「レン君!これからちょうど謎解き場面なんだよ!?ここで止めたら永遠の謎になっちゃうじゃない!」
「えぇえ!?それはマズイよ、ミクちゃん!」


ミクとレンのまるで打ち合わせたかのような軽やかな会話運びで、いつの間にか演ることが決定していた。…本当にいつの間にか。
レンはそんな二人の会話に口を出せないまま、ポツリと呟く。

「えぇー…さっきの役どころに探偵役なんかいなかったじゃん…」
「それがリンの役なんだよ、多分」
「んな、適当な…」


片隅で会話する男性陣を置き去りに、ミクとリンは暴走に拍車をかけ、新設定を次々に付け加えていった。



(ここからは、諸事情により、会話文のみお楽しみ下さい)


リン(以下リ)「わたし、鈴之宮ゆりこ役やる!」

レン(以下レ)「誰だよ、その某ベ○ばらに出てきそうな名前の奴は……」
※注:レンはあくまで自身のイメージだけで語っています。本当のベ○ばらにはそんな日本人みたいな名前の登場人物は出てきません。ベル○らの舞台はフ/ラ/ン/スとかそこらへんですから。

リ「殺人事件の犯人(仮)だよ!」

ミク(以下ミ)「えー、ダメだよ、リンちゃん。犯人はカイトウ警部だから」

レ「ぅええ!?警部が犯人て色々設定としてどうなんだよ!?」

KAITO(以下カ)「ウケればなんでもいいんだよ、レン」

ミ「そうだよ、レン君」

レ「んな、ひたすらウケを狙うお笑い芸人みたいに……」

リ「んー……ねぇ、ミクちゃん。レンの役はどうするの?」

ミ「レン君はカイコさんの新しい夫のレントン伯爵役だよ」

レ「伯爵!?現代、ベ〇ばらの次は、中世ヨーロッパが舞台かよ!?時代系列めちゃくちゃじゃねぇか!」
※注:レンはあくまで自身のイメージd(以下略

ミ「レン君、時は淀みなく進んでいくんだよ?」

レ「…だからなんだよ。なに、したり顔で語ってやがる…?大体、現代から中世なんだから、時戻ってるじゃねぇか!」

カ「レントン伯爵―――いいえ、あなた。大切にしてね…?」

レ「……カイトさん…。マ ジ で 殺 し て い い か … ?」

リ「ミクちゃん!まさかのレンカイ展開発生だよ!」

ミ「ちょっ…キスシーンはあるのかな?」

レ「ね え よ !あってたまるか、そんなもんっ」



(会話文終了)



「だーっ!もうお前らいい加減にし…っ!」

とうとう我慢の糸が切れたレンが喚き散らそうとしたところで、部室のドアが再びガラリと開かれた。
そこから覗いたのは―――部内で言うところの、雷様だ。


「…………アンタ達、あれほど先に始めとけと言ったはずよね?」


雷様、否、MEIKOは部室で大騒ぎしていた面々を見据え、声を低くした。
心なしか、額には青筋も浮かんでいるような気がする。
雷様の逆鱗に触れた四人はぶるぶると体を震わせながら、その裁きを待った。
MEIKOは一度全員に視線をやった後、その視線を―――KAITOに定めた。


「………カイト」
「……っ。…はい」
「これはどういうことなのかしら?」


ニッコーといっそ輝かしいばかりの笑みを浮かべて、MEIKOが問う。
問われたKAITOは可哀相なくらいに縮み上がり、「うぁ…えぇと…」と言葉をあぐねていた。
やがてKAITOが小さな声で言ったのは、

「スミマセン…」

という一言。
それを受け、MEIKOは大きく一つ溜息をつき、KAITOの頭をベシンと一発叩く。


「アンタがミクとリンを制御しないでどうするのよ、馬鹿」
「…ゴメン」
「ミクたちも、」


と、そこでMEIKOの視線が今度はミクとリンに向かう。


「羽目を外しすぎよ」
「「…ごめんなさい」」


しおしおとしょげ返るミクとリンに、MEIKOは軽く息をついて、「今後ちゃんと注意すること」と告げる。
そして最後にMEIKOの視線を向けられたのはレンで。
自分は果たして何を言われるのだろうと思わず構えたレンに、MEIKOはふっと淡く笑んだ。
そうしてMEIKOはレンの頭を一つ撫でる。


「…お疲れ様ね、レン」

こんな言葉をレンに寄越して。
一人だけ叱られなかったレンはポカンと呆けた顔をしていたが、MEIKOの「とっとと練習始めるわよー」という声でやっと我に返った。



そして一時だけ静まり返った声楽部室内には、あっという間に天才達の集まりと評判の声々があふれる。
普段の変人ぶりが嘘のように、誰もが聞き惚れる歌声が辺り一面に広がった。
通りがかった人間の足を止めてしまうほどの威力を持つ、その歌声。



本当に、

『全く、馬鹿と天才は紙一重とはよく言ったものだ』。


それは彼らを知る人達が口々に漏らす言葉だったりする。




 fin.










『レン君頑張れ超頑張れ』


この一言に尽きる作品です。
個人的にレンはボカロの中で唯一のツッコミ要員だと思ってます。
ちなみに一番のボケ要員はミク。彼女は天真爛漫とか、もうそういうレベルではない。

カイトさんやメイコさんは臨機応変に自分の立ち位置を変えられるので、なに要員とかはないです。

とりあえず今回の「お疲れさまで賞」のレン君には慰めと労りの言葉を掛けてやってくださいな^^;




以下 壱の呟き:
書いてて楽しかったけれど、やっぱり私にギャグはハードル高かったみたいです…。
面白いギャグ小説ってどうやって書くんでしょうか? 誰か私に教授してくださいorz

Category : ss
Posted by 春乃 綺 on  | 0 comments  0 trackback

コンチータ様とコックの最後の晩餐(カイメイ)

「コンチータ様、そろそろお暇を頂いてもいいでしょうか」

うだつの上がらないウチのコックが満面の笑みでそう言ってきたのは、紫の茄子とピンクのタコのオードブルを食べ終わったときだった。
私は馬鹿なことをのたまったその男に冷めた目をくれてやる。


「カイト、あんたはたった今、自分が何を言ったのか、ちゃんと分かってるの?」
「えぇ」
「暇を貰った奴の行き先など、いままで散々見てきたアンタなら知ってるでしょう? 何せ、調理してきたのはアンタなんだから」


それでも?と、問う私にカイトは「えぇ」と笑顔のまま頷いた。
ふぅんと気のない返事を奴に返し、私は視線をカイトから外す。
そうして考え巡らせて行き着いたことはといえば。
この男がいなくなったら、調理する者が誰もいなくなるという事実だった。


「…却下ね。私はあんたを今は食べない」
「何故です?コンチータ様」
「誰がアンタを調理するのよ」
「召使のレンやメイド係のリンがいるでしょう」
「ダメね。あの子たちにロクな調理なんて期待できない。ブリオッシュだけは絶品だけど」


それに私は殊の外、この男の作る料理を気に入っていた。
屋敷の外では悪食と悪名高い私にでも、まだそれを感じられるだけの味覚は残っていたのだ。
カイトは「ふむ…」と吐息混じりの唸りをして、顎に手をそえて首を捻った。


「そうは言われても、俺は辞めるつもりでいますので…。―――うーん、それじゃあ」

この時、私は、カイトが"食べない方向でいきましょうか"ということを予想していた。いえ、勿論私は食す気でいたけど。
職を辞すことがカイトの中で決定事項である今、奴の行先は私の胃の中しかないのだ。それが今まで続いてきた、この屋敷の慣習。
過去に解雇されたツカエナイ奴らは、誰もが震えて「命だけは」と縋った。
さて、この男もそうなのだろうか、と半信半疑ながらも、私は机の上のフォークとナイフを握る。
これでカイトが逃げ出しそうになっても、食事を開始することが出来る。
そうしてカイトを食せる喜びに浸った。


あぁ、このコックは一体どんな甘美な味がするのでしょうね。

この男の料理が食べられなくなるのは酷く残念だけど、私はこの男の味には前々から大層興味があったのだ。
料理は絶品だったけれど、果たして男自身もおいしいのだろうか、と。
私はずっと念願であったカイトを食すということにやっとのことで辿り着けた幸福感にニンマリと笑みを作った。
そんな私を見ても、男は全く動じなかった。

それどころか嬉しそうに目を細め、


「そのナイフとフォークでコンチータ様自らが俺を調理してください」

と私に告げたのだ。


それならばとカイトに馬乗りになった私は、手始めに奴の服のボタンを外していった。
そうして今まで服に隠されてきた健康な肢体をあらわにしていく。
あぁ、本当になんて美味しそうなの。
思わず喉が鳴って、カイトの胸板をそっと撫でた。
カイトは私にされるがまま、下から私の顔を見上げている。
今までのパターンだったら、此処で叫び声でも上げて、大慌てで暴れるのだけれど。この男がしていることといえば、私の顔を凝視し続けていることだけだった。まぁ、それも私にとっては都合がいいことこの上ない。

「………抵抗しないのね、カイト」

しても逃がしてなんてあげないけど。
ふふ、と私は楽しげに微笑みを零した。そうするとカイトもやけに晴れやかな顔でニッコリと笑う。
それはあまりにも状況にそぐわない笑みだった。なんだかそんな笑みをするカイトが気に入らなくて、今の状況を知らしめるべく、私はカイトの首筋に強く歯を立てる。

「……っ!」

カイトが痛みに小さく声を上げる。
しかしその顔は恐怖に引き攣るどころか、うっとりとした表情を浮かべていて。
いつも(使用人の捕食)とどこか違うことを、流石にここまでくれば私も気付いていた。
もしかして、と私の中にある憶測が浮かび上がる。
しなやかなカイトの体にナイフを走らせながら、「ねぇ、カイト」と彼にそのことを尋ねた。


「もしかして私に食べられたかったの。だから暇を貰いたいなんて言ったのかしら」
「…っ、ぃっ…えぇ、それがコンチータ様と一つになれる1番の方法です、から…っ」
「―――狂ってるわね」
「っ、ふふ…、それ、は貴女もでしょ…う」


痛みに眉をしかめながらも、その美しい男は「俺は貴女が欲しかったのですよ」と零し、「そろそろ本気で痛いので、一思いにヤッてくれません?」などとどこまでも飄々と言ってのける。

もうすぐアンタは死ぬのに。
それでも満面の笑みを浮かべられてるなんて、本当に狂った男。

だから、だったのかもしれない。私なんかを想って死に絶えるこの男が、余りに哀れで可哀相だったから。


「カイト」
「っ……、っは、い…っ?」
「餞別よ」


そう言ってふわりと一瞬だけ触れた、私と奴の唇。
本来なら、私は自分から好んでキスなんてしない。私にとって、口は自身の深い欲を満たしてくれる神聖な場所であり、それ以外に使われることなど許せない。
それなのに、私がこの男にそれを許したのは。

カイトは大きく目を見開き、虚ろな目に涙の膜をはった。
そして私の目を必死に見据えて叫ぶ。


「愛し、て…愛してい…ます…っ、"メイコ"さま…っ」

久々に聞いた自分本来の名前。
男はその言葉を紡ぐと満足しきったように、瞳を閉じた。
私はもう一度その男に血濡れのクチヅケを送り―――――男の左胸に勢いよくナイフを突き立てたのだった。

突き立てた瞬間、カイトの体が鯛のように跳ね、そのすぐあとには一切動かなくなった。
まだ温かい体からは、どくどくと真っ赤な鮮血が滴り落ちている。
まるで上質の赤ワインのようなソレを指に絡めて、ペロリと舐め上げた。

――――やはり、絶品の料理を作る男は絶品の味がするのね。

口角をあげて、その液体に舌鼓をうつ。
しばらくすると、赤の液体は唾と共に飲み込まれてしまい、私は無防備に横たわるカイト――否、カイトだったものに視線を戻す。
カイトの美しい身体に自身の底しれぬ欲がふつふつと疼き、
私はゆっくりとその身体に近付き、何度目かになる晩餐を再開したのだった。


やがて、晩餐を終えた時に残ったのは、
カイトの白く美しい骨と

私の胸をくすぶる何とも言えぬ虚しさだけだった。





("私がカイトにキスした理由"?)
(余りにもアイツが哀れで可哀想で―――馬鹿だったからよ)










悪ノPの楽曲「悪食娘コンチータ」から。

めーちゃんもKAITOも怖いよ…っ!ヤンデレだよ!
なんか私の書く作品ってこんなんばっかな気がするの、なんでなのかしら(←)




Category : ss
Posted by 春乃 綺 on  | 0 comments  0 trackback
該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。